この記事はこんな人におすすめ
- 応用情報の合格者の科目の特徴・選択の基準を知りたい方
- 合格者の過去問正答率・勉強量を知りたい方
この記事は応用情報技術者試験の午後選択科目の特徴を私自身の経験や主観に基づいて伝えていきます。合格者のレベルをわかっていただけると思います。以外に低レベルかもしれませんし、思っているよりすごいのかもしれません。
結論
テクノロジ(技術的)分野とストラテジ・マネジメント(文系・国語的)分野の二つに大きく分けられる。過去問を解いて得意・不得意を知ることが大事!
テクノロジ分野の特徴
- 高得点が望めるが0点もありえる
- 解く時間もストラテジ・マネジメント分野に比べれば短縮できる
- 基本的なその分野の知識が絶対に必要 対策なしに解けることはない(問7 組み込みシステム開発除く)
- ハイリスクハイリターン
テクノロジ分野は以下の7問からなります。
- 情報セキュリティ(問1) 必須
- プログラミング(問3)
- システムアーキテクチャ(問4)
- ネットワーク(問5)
- データベース(問6)
- 組み込みシステム開発(問7)
- 情報システム開発(問8)
ストラテジ・マネジメント分野の特徴
- 国語の読解力が求められる
- 0点はないが20点満点もとりにくい
- 文章を読み込まないといけないので時間がかかる
- 前提知識なくても解ける問題も多い
- ローリスクローリターン
ストラテジ・マネジメント分野は以下の4つになります。
- 経営戦略(問2)
- プロジェクトマネジメント(問9)
- サービスマネジメント(問10)
- システム監査(問11)
各科目の特徴を書いていきます。
情報セキュリティ(問1)
テクノロジ分野(技術的)
午前科目なら36問から45問まで
必須科目なので全員がとらないといけない科目となります。ですので、是非得点源にしましょう。時間をかければ誰でも比例して点数が伸びる科目です。ネットワーク(問5)の知識が求められる問題もあります。
暗号技術(公開鍵やハッシュ関数)・PKI・マルウェア対策・TLS/SSL・ファイアウォールなどを学びます
過去問は10回分解きました。正解率は6~7割でした。26年の春が壊滅していました。
経営戦略(問2)
ストラテジ分野(文系・国語的)
午前科目なら61問から80問まで
企業経営者などがどういった市場にどういった戦略で参入し利益をあげていくかを考える科目です。IT技術者にはあまりなじみのない科目かと思います。どちらかといえば文系的要素が大きいです。しかし、投資戦略や会計の分析などでは簡単な計算が必要です。減価償却など会計の知識が求められることもあります。
戦略の分析手法(SWOT分析・バランススコアカードなど)や企業の財務諸表の分析手法などを学びます
過去問は8回分解きました。正解率は8割ぐらいで6割を下回ったことは1度もなかったです。一番得意な科目でした。
プログラミング(問3)
テクノロジ分野(技術的)
午前は混ざっていて特定できず
日頃からプログラミングをやっている人向け。基本情報技術者のアルゴリズムより簡単との声もあり。合格体験記などでは満点が多い印象。
基本情報技術者試験のアルゴリズムを選択肢と消去法で突破してきた私としては記述問題には全く歯が立たない。
過去問すら解いてないです。解く気すらないレベル。ここで20点取れれば合格しやすいと思います。1週間の試験勉強で合格している人たちはこの科目で得点を稼いでいる印象。
システムアーキテクチャ(問4)
テクノロジ分野(技術的)
午前は混ざっていて特定できず
パソコンやその周辺機器を並列につないで信頼性の高いシステム構築をめざす科目です。
稼働率の計算などがありますが、それほど難しくない科目です。日頃業務でITにかかわっていない方でも選択肢に入れるのを検討する方がいいです。
待ち行列理論や稼働率の計算などを学びます。
過去問は8回分解きました。正解率は7割程度でした。最近出題されていない待ち行列理論がでたら選択するつもりでした。後は問題みて決める予定でした。選択問題の候補科目。H27年の春は2割の正解率でした。こういうのを本番で選んでしまうと怖いです。
ネットワーク(問5)
テクノロジ分野(技術的)
午前科目なら31問から35問まで
パソコンの通信の仕方などを学ぶ科目です。
情報セキュリティとの相性がよく、ネットワークの知識に詳しいと情報セキュリティも強くなるでしょう。OSI基本参照モデルの何層の話をしているのかを意識しないと訳がわからなくなります。IPアドレスの変換を難なくできるようにならないといけません。
いろいろなプロトコルの名称と何をするものか、OSI基本参照モデルなどを学びます。
過去問は3回分解きました。正解率は6割程度でした。私自身それほど嫌いな科目ではなかったですが、過去問演習の量が不足していたので、選択の候補からは、はずれてしまいました。
データベース(問6)
テクノロジ分野(技術的)
午前科目なら26問から30問まで
いろいろなデータを一元的に管理する仕組みを学ぶ科目です。
この科目もプログラミングと同様に業務で触れていないとなかなか選択する気にはならないと思います。SQLを理解するには時間がかかるのが難点。書いてあるSQLを読むのはなんとなくわかりますが、自分で記述するのは私にはできないです。
SQLやE-R図、正規化などについて学びます。
過去問は3回分解きました。正解率は4割程度。不採用決定。
組み込みシステム開発(問7)
テクノロジ分野(技術的)
午前は混ざっていて特定できず
家電などの入っている小さなコンピュータなどについて学ぶ科目です。
内容についてはよくわかってなく、それほど前提知識がなくても解けてしまうときがある科目。この科目の対策をしないのはもったいないです。H30秋とH31春をだまされたと思って一度本気で解いてみてください。
過去問は6回解きました。正解率は6割程度でした。でも高得点の時は8割以上、ダメな時は2割程度と差が一番激しい科目。一応選択科目に採用。本番残り1問で一発逆転を狙うときにいい科目。
情報システム開発(問8)
テクノロジ分野(技術的)
午前科目なら46問から50問まで
システムの開発の流れや正常に動くかのテストなどについて学ぶ科目です。
この科目もプログラミング同様、業務をやっていないと理解が進まないと思います。オブジェクト指向が何か、いまだによくわかっていません。得意な人は高得点を取っている印象があります。
オブジェクト指向、UML、テスト技法などについて学びます。
過去問は解いてないです。苦手なことはしない方針。もちろん選択科目不採用。
プロジェクトマネジメント(問9)
マネジメント分野(文系・国語的)
午前科目なら51問から54問まで
プロジェクトにおける時間と予算(お金)の管理を学ぶ。
日常ITの業務をしていなくても、時間と予算の管理をすることは多く、イメージしやすい科目です。IT業務をこなしている人から、全くITの仕事をしていない人まで誰でも選択できる幅が一番広い科目ではないでしょうか。常識で答えても得点できていることが多い。科目と自分自身との相性がいい。
アーンドバリュー法などをメインに学びます。
過去問は8回分解きました。正解率は7割5分程度。6割を少し下回るのが1回と安定して得点できた科目。経営戦略についで2番目に得意な科目。
サービスマネジメント(問10)
マネジメント分野(文系・国語的)
午前科目なら55問から57問まで
顧客とのサービスを継続してく過程での諸問題への対策を学ぶ。
この科目もITへの前提知識がなくても、勉強すればイメージできやすい科目かと思います。ITのソフトウェアを売っている会社のその仕様を変更するならどういったところに注意しないといけないかなど、私は面白かったです。文章が読めたら前提知識なくても解ける問題も多いです。
過去問は7回分解きました。正解率は6割程度。選択問題の候補科目。
システム監査(問11)
マネジメント分野(文系・国語的)
午前科目なら58問から60問まで
ある部署が手順に基づいて業務をこなしているか、不正はないかなどのチェックの仕方を学びます。前提知識もほとんどいりません。午前の対策ぐらいで十分です。一見簡単そうにみえますが、なかなか点数が伸びなかった印象。問題によって難易度に差が一番大きいかもしれません。そして解答をみても納得できないこともありました。勉強時間に全く比例しません。
過去問は8回分解きました。正解率は6割程度。この科目も解けるときと、解けないときの差が激しかったです。選択問題の候補科目にはなりましたが本番ではできれば取りたくない科目でした。
私の個人的な午後の選択科目の戦略
必須の情報セキュリティ(問1)を除けば、経営戦略(問2)・プロジェクトマネジメント(問9)はよほどのことがない限り選択する。
そして残りの2問をシステムアーキテクチャ(問4)・組み込みシステム開発(問7)・サービスマネジメント(問10)・システム監査(問11)の4つの科目から問題をみて決める。
特に待ち行列理論がでたら、システムアーキテクチャを選択する。
以上、長々と書いてきましたが、皆さんの学歴・職歴などによって各科目の印象は全然違ったものになるかと思います。是非過去問を2~3回分解いていただき、ご自身の適性を見極めていただきたいです。